Qwen3.5 9Bは画像をどこまで読める?ローカルAI画像認識を5課題で実機検証
ローカルAIは、文章だけでなく画像も自分のPC内で処理できます。では、9Bクラスのモデルで写真の物、日本語、表、エラー画面、小さい文字をどこまで正確に読めるのでしょうか。
今回はQwen3.5 9Bに5種類の画像を見せ、必要な項目がすべてそろった課題だけを合格として採点しました。
先に結果をまとめると、5課題では3勝2敗、20項目中18項目正解です。表計算、Pythonエラー、小さい予約情報は全項目正解。一方で、時計の時刻と日本語の一語を落としました。

読めたかだけでなく、どの細部を落としたかを見るのが今回のポイントです。
動画で約10分で確認したい方はこちら
結論:9Bは画像整理の一手目に使える
今回の結論はシンプルです。
- 写真の大まかな説明、表の整理、エラー原因の候補出しには使える
- 完全な文字起こしや、時計・金額などの細部を無確認で確定する用途には向かない
- 全体を一度読ませ、重要箇所だけ拡大して二度目に確認すると使いやすい
画像を一枚ずつ人が最初から確認する代わりに、AIへ整理の一手目を任せると、見る場所を減らせます。
実機条件
検証日は2026年7月16日です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| GPU | NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti 12GB |
| NVIDIAドライバー | 576.57 |
| Ollama | 0.32.0 |
| モデル | Qwen3.5 9B Q4_K_M |
| モデル保存サイズ | 6.6GB |
| コンテキスト設定 | 65,536 |
| temperature | 0 |
| seed | 42 |
| 実行回数 | 各課題1回 |
64K設定で読み込んだモデルはOllama上で約7.7GBと表示され、実行中のGPU使用メモリは最大約10.2GBでした。モデルの保存サイズと、実行時に必要なメモリは同じではありません。
PCスペックの考え方は、ローカルLLMに必要なPCスペック|VRAM 8GB・12GB・16GBの目安でも詳しく解説しています。
採点方法
AIの回答を見てから正解を変えないよう、各画像で確認する項目を先に固定しました。
| 課題 | 確認項目数 | 見る力 |
|---|---|---|
| 写真 | 6 | 物、色、順番、時計 |
| 日本語OCR | 4 | 日付、時刻、場所、持ち物 |
| 表計算 | 4 | A店合計、B店合計、大きい店、差 |
| エラー画面 | 2 | 不足パッケージ、解決コマンド |
| 小さい文字 | 4 | 出発、座席、料金、変更期限 |
必要な項目が一つでも抜けた課題は不合格です。回答が自然かどうかではなく、画像内の情報と一致したかで判定しました。
結果一覧
| 課題 | 結果 | 正解数 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 写真 | 不合格 | 5/6 | 物・色・順番は正解、時計を誤読 |
| 日本語OCR | 不合格 | 3/4 | 「青い資料」を「資料」と省略 |
| 表計算 | 合格 | 4/4 | 合計・比較・差まで正解 |
| エラー画面 | 合格 | 2/2 | pandasと解決コマンドを正解 |
| 小さい文字 | 合格 | 4/4 | 4項目すべて正解 |
合計は18/20です。課題単位では3勝2敗になりました。
課題1:写真は物と色に強いが、時計で失敗

質問:画像の主な物を左から順に列挙し、アナログ時計の時刻も答えてください。
Qwen3.5 9Bの回答原文
画像の主な物は左から順に、赤いマグカップ、黄色いノートと乗っている黒いペン、銀色のフレームのアナログ時計、青い鉢植えに入った緑の観葉植物です。アナログ時計の時刻は約10時2分です。
机の上に赤いマグ、黄色いノート、黒いペン、銀色の時計、青い鉢の緑の植物を置いた画像を使いました。
Qwen3.5 9Bは、5つの物、色、左からの順番を正しく説明しました。失敗したのは時計です。正解は10時10分でしたが、回答は約10時2分でした。
写真全体の意味はつかめても、針の角度を分単位で読む細かな作業では外れることがあります。
課題2:大きな日本語でも一語を省略

質問:画像に書かれた会議の日付、時刻、場所、持ち物を、文字どおりに答えてください。
Qwen3.5 9Bの回答原文
画像に記載されている情報は以下の通りです。
日付: 7月21日
時刻: 午後3時
場所: 第2会議室
持ち物: 資料
次の4項目を書いた予定表を読ませました。
- 日付:7月21日
- 時刻:午後3時
- 場所:第2会議室
- 持ち物:青い資料
日付、時刻、場所は正解です。ただし、持ち物は「資料」とだけ答え、「青い」を落としました。
ここで大事なのは、文字が見えなかったとは限らない点です。モデルは文字をそのまま転記するだけでなく、意味をまとめて答えます。その過程で、重要ではないと判断した形容詞を省くことがあります。
課題3:表の読取と計算は4項目すべて正解

質問:A店とB店の3か月合計を計算し、合計が大きい店とA店との差を答えてください。
Qwen3.5 9Bの回答原文
A店の合計:120+140+110=370
B店の合計:95+130+160=385
合計が大きいのはB店で、差は15です。
3か月分の販売表を読ませました。
- A店:120、140、110、合計370
- B店:95、130、160、合計385
- 大きい店:B店
- 差:15
Qwen3.5 9Bは、数字の読み取り、足し算、比較、差の計算を一度で完了しました。
形式がそろった表から必要な項目を抜き出し、簡単な計算を加える仕事は、今回の条件では相性がよい結果です。
課題4:Pythonエラーから次の行動まで出せた

質問:エラーの原因となった不足パッケージ名と、解決に使う最小のインストールコマンドを答えてください。
Qwen3.5 9Bの回答原文
不足パッケージ名: 'pandas'
解決コマンド: pip install pandas
画像には ModuleNotFoundError: No module named 'pandas' を表示しました。
回答は次の2点です。
- 不足しているパッケージ:
pandas - 解決コマンド:
pip install pandas
どちらも正解でした。エラー文を読めると、モデルが持つ一般知識と結び付け、次に試す行動まで出せます。
課題5:小さい予約情報は4項目すべて正解

質問:画像の出発時刻、座席、料金、変更期限を正確に答えてください。
Qwen3.5 9Bの回答原文
画像の出発時刻、座席、料金、変更期限は以下の通りです。
出発: 08:45
座席: 12A
料金: 4,280円
変更期限: 7月19日 18:00
小さめの文字で表示した予約情報から、次の4項目を読み取らせました。
- 出発:08:45
- 座席:12A
- 料金:4,280円
- 変更期限:7月19日 18:00
4項目すべて正解です。大きな日本語で一語を落とした一方、小さい数字はすべて読みました。
つまり、「文字が小さいから失敗、大きいから成功」とは限りません。画像の見やすさに加え、回答時に情報をどうまとめるかも影響します。
速度とメモリ
最初の写真はモデル読み込みを含めて15.5秒、その後4課題の平均は6.6秒でした。回答生成速度は平均71.26 token/sです。
一枚の画像を数秒で整理する用途なら、十分待てる速度です。ただし、速く自然に答えても細部が正しいとは限りません。速度と正確さは分けて見ます。
向いている使い方
今回の結果から、次の仕事は試しやすいと考えられます。
- エラー画面から原因候補と次のコマンドを出す
- 表の数字を読み、合計や差を計算する
- 予定画面から時刻や場所を一覧にする
- 写真に写る主な物、色、位置を説明する
共通点は、AIの回答と元画像を人がすぐ比べられることです。AIに最終決定を任せるのではなく、確認作業を短くするために使います。
細部を落としにくいプロンプト
画像を渡すときは、自由に説明させるより、欲しい項目と回答形式を先に決める方が確認しやすくなります。

自由に説明させるより、欲しい項目を先に並べると答えを見比べやすくなります。
この画像だけを根拠に、次の項目を同じ順番で抜き出してください。
1. 日付
2. 時刻
3. 場所
4. 持ち物
回答は表にしてください。
読めない項目は推測せず「不明」と書いてください。
形容詞や単位を省略せず、画像の表記どおりに答えてください。
ポイントは次の3つです。
- 欲しい項目を列挙する
- 表やJSONなど、回答の形を固定する
- 読めない項目は「不明」と答えさせる
全体と細部を二回に分ける
時計、金額、期限など重要な一か所は、次の手順で確認します。
- 画像全体を読ませ、必要な情報を整理する
- 重要箇所だけを切り抜いて大きくする
- 二回目に、その項目だけを読ませる
- 回答と元画像を横に並べ、人が照合する
一枚ですべて当てさせるより、仕事を「全体」と「細部」に分ける方が、確認箇所を絞れます。
注意は一つ:重要情報は元画像で確定する
金額、日時、契約、申請のように、一文字の違いで結果が変わる情報は、AIの回答だけで確定せず元画像を見てください。
下書きと整理はAI、最後の確定は人、という分担が扱いやすい方法です。
今日始める3段階

まずは重要でない画像を一枚だけ選ぶと、失敗しても困らず実力を確かめられます。
- 個人情報のない、重要でない画像を一枚選ぶ
- 抜き出したい項目を三つだけ指定する
- 回答と元画像を並べ、三項目を確認する
最初から大量の画像へ使わず、一枚で自分の環境とモデルの実力を知るのが近道です。
Ollamaとデスクトップアプリの違いから確認したい場合は、LM StudioとOllamaの違い|初心者はどちらを選ぶ?も参考にしてください。
まとめ
Qwen3.5 9Bの画像認識を5課題で試した結果は、3勝2敗・20項目中18項目正解でした。
- 表、エラー、小さい定型情報は全項目正解
- 写真の時計と、日本語の一語で失敗
- 画像の大まかな説明や整理には使える
- 完全転記は元画像との照合が必要
- 全体と重要箇所を二回に分けると使いやすい
ローカル9Bは、画像を全部任せる相手ではなく、見る場所を減らす「画像整理の相棒」として使うのが現実的です。
公式資料
関連リンク
- ローカルLLMに必要なPCスペック|VRAM 8GB・12GB・16GBの目安
- LM StudioとOllamaの違い|初心者はどちらを選ぶ?
- OllamaでローカルAIを動かす方法
- 動画:そのPCで動く?VRAM 8GB・12GB・16GBの現実
