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AI実装ノート

Qwen3.5 9Bは画像をどこまで読める?ローカルAI画像認識を5課題で実機検証

ミニキャラのルミィがローカルAIの画像認識を検証しているイラスト
ルミィ

ローカルAIは、文章だけでなく画像も自分のPC内で処理できます。では、9Bクラスのモデルで写真の物、日本語、表、エラー画面、小さい文字をどこまで正確に読めるのでしょうか。

今回はQwen3.5 9Bに5種類の画像を見せ、必要な項目がすべてそろった課題だけを合格として採点しました。

先に結果をまとめると、5課題では3勝2敗、20項目中18項目正解です。表計算、Pythonエラー、小さい予約情報は全項目正解。一方で、時計の時刻と日本語の一語を落としました。

ルミィ
ルミィ

読めたかだけでなく、どの細部を落としたかを見るのが今回のポイントです。

動画で約10分で確認したい方はこちら

YouTubeで動画を開く

結論:9Bは画像整理の一手目に使える

今回の結論はシンプルです。

  • 写真の大まかな説明、表の整理、エラー原因の候補出しには使える
  • 完全な文字起こしや、時計・金額などの細部を無確認で確定する用途には向かない
  • 全体を一度読ませ、重要箇所だけ拡大して二度目に確認すると使いやすい

画像を一枚ずつ人が最初から確認する代わりに、AIへ整理の一手目を任せると、見る場所を減らせます。

実機条件

検証日は2026年7月16日です。

項目内容
GPUNVIDIA GeForce RTX 4070 Ti 12GB
NVIDIAドライバー576.57
Ollama0.32.0
モデルQwen3.5 9B Q4_K_M
モデル保存サイズ6.6GB
コンテキスト設定65,536
temperature0
seed42
実行回数各課題1回

64K設定で読み込んだモデルはOllama上で約7.7GBと表示され、実行中のGPU使用メモリは最大約10.2GBでした。モデルの保存サイズと、実行時に必要なメモリは同じではありません。

PCスペックの考え方は、ローカルLLMに必要なPCスペック|VRAM 8GB・12GB・16GBの目安でも詳しく解説しています。

採点方法

AIの回答を見てから正解を変えないよう、各画像で確認する項目を先に固定しました。

課題確認項目数見る力
写真6物、色、順番、時計
日本語OCR4日付、時刻、場所、持ち物
表計算4A店合計、B店合計、大きい店、差
エラー画面2不足パッケージ、解決コマンド
小さい文字4出発、座席、料金、変更期限

必要な項目が一つでも抜けた課題は不合格です。回答が自然かどうかではなく、画像内の情報と一致したかで判定しました。

結果一覧

課題結果正解数主な内容
写真不合格5/6物・色・順番は正解、時計を誤読
日本語OCR不合格3/4「青い資料」を「資料」と省略
表計算合格4/4合計・比較・差まで正解
エラー画面合格2/2pandasと解決コマンドを正解
小さい文字合格4/44項目すべて正解

合計は18/20です。課題単位では3勝2敗になりました。

課題1:写真は物と色に強いが、時計で失敗

赤いマグ、黄色いノート、黒いペン、10時10分の時計、青い鉢の植物を並べたQwen3.5 9B検証画像
検証画像1。赤いマグ、黄色いノート、黒いペン、時計、青い鉢の植物を並べた写真

質問:画像の主な物を左から順に列挙し、アナログ時計の時刻も答えてください。

Qwen3.5 9Bの回答原文

画像の主な物は左から順に、赤いマグカップ、黄色いノートと乗っている黒いペン、銀色のフレームのアナログ時計、青い鉢植えに入った緑の観葉植物です。アナログ時計の時刻は約10時2分です。

机の上に赤いマグ、黄色いノート、黒いペン、銀色の時計、青い鉢の緑の植物を置いた画像を使いました。

Qwen3.5 9Bは、5つの物、色、左からの順番を正しく説明しました。失敗したのは時計です。正解は10時10分でしたが、回答は約10時2分でした。

写真全体の意味はつかめても、針の角度を分単位で読む細かな作業では外れることがあります。

課題2:大きな日本語でも一語を省略

7月21日、午後3時、第2会議室、青い資料と書かれたQwen3.5 9B日本語OCR検証画像
検証画像2。日付、時刻、場所、持ち物を書いた日本語の予定表

質問:画像に書かれた会議の日付、時刻、場所、持ち物を、文字どおりに答えてください。

Qwen3.5 9Bの回答原文

画像に記載されている情報は以下の通りです。

日付: 7月21日
時刻: 午後3時
場所: 第2会議室
持ち物: 資料

次の4項目を書いた予定表を読ませました。

  • 日付:7月21日
  • 時刻:午後3時
  • 場所:第2会議室
  • 持ち物:青い資料

日付、時刻、場所は正解です。ただし、持ち物は「資料」とだけ答え、「青い」を落としました。

ここで大事なのは、文字が見えなかったとは限らない点です。モデルは文字をそのまま転記するだけでなく、意味をまとめて答えます。その過程で、重要ではないと判断した形容詞を省くことがあります。

課題3:表の読取と計算は4項目すべて正解

A店とB店の4月から6月の販売数を示したQwen3.5 9B表計算検証画像
検証画像3。A店とB店の3か月分の販売数を示した表

質問:A店とB店の3か月合計を計算し、合計が大きい店とA店との差を答えてください。

Qwen3.5 9Bの回答原文

A店の合計:120+140+110=370
B店の合計:95+130+160=385

合計が大きいのはB店で、差は15です。

3か月分の販売表を読ませました。

  • A店:120、140、110、合計370
  • B店:95、130、160、合計385
  • 大きい店:B店
  • 差:15

Qwen3.5 9Bは、数字の読み取り、足し算、比較、差の計算を一度で完了しました。

形式がそろった表から必要な項目を抜き出し、簡単な計算を加える仕事は、今回の条件では相性がよい結果です。

課題4:Pythonエラーから次の行動まで出せた

pandasが見つからないModuleNotFoundErrorを表示したQwen3.5 9B検証画像
検証画像4。pandasが見つからないPythonのエラー画面

質問:エラーの原因となった不足パッケージ名と、解決に使う最小のインストールコマンドを答えてください。

Qwen3.5 9Bの回答原文

不足パッケージ名: 'pandas'
解決コマンド: pip install pandas

画像には ModuleNotFoundError: No module named 'pandas' を表示しました。

回答は次の2点です。

  • 不足しているパッケージ:pandas
  • 解決コマンド:pip install pandas

どちらも正解でした。エラー文を読めると、モデルが持つ一般知識と結び付け、次に試す行動まで出せます。

課題5:小さい予約情報は4項目すべて正解

08時45分、座席12A、4280円、7月19日18時の変更期限を示したQwen3.5 9B検証画像
検証画像5。出発時刻、座席、料金、変更期限を小さく表示した予約確認画面

質問:画像の出発時刻、座席、料金、変更期限を正確に答えてください。

Qwen3.5 9Bの回答原文

画像の出発時刻、座席、料金、変更期限は以下の通りです。

出発: 08:45
座席: 12A
料金: 4,280円
変更期限: 7月19日 18:00

小さめの文字で表示した予約情報から、次の4項目を読み取らせました。

  • 出発:08:45
  • 座席:12A
  • 料金:4,280円
  • 変更期限:7月19日 18:00

4項目すべて正解です。大きな日本語で一語を落とした一方、小さい数字はすべて読みました。

つまり、「文字が小さいから失敗、大きいから成功」とは限りません。画像の見やすさに加え、回答時に情報をどうまとめるかも影響します。

速度とメモリ

最初の写真はモデル読み込みを含めて15.5秒、その後4課題の平均は6.6秒でした。回答生成速度は平均71.26 token/sです。

一枚の画像を数秒で整理する用途なら、十分待てる速度です。ただし、速く自然に答えても細部が正しいとは限りません。速度と正確さは分けて見ます。

向いている使い方

今回の結果から、次の仕事は試しやすいと考えられます。

  1. エラー画面から原因候補と次のコマンドを出す
  2. 表の数字を読み、合計や差を計算する
  3. 予定画面から時刻や場所を一覧にする
  4. 写真に写る主な物、色、位置を説明する

共通点は、AIの回答と元画像を人がすぐ比べられることです。AIに最終決定を任せるのではなく、確認作業を短くするために使います。

細部を落としにくいプロンプト

画像を渡すときは、自由に説明させるより、欲しい項目と回答形式を先に決める方が確認しやすくなります。

ルミィ
ルミィ

自由に説明させるより、欲しい項目を先に並べると答えを見比べやすくなります。

この画像だけを根拠に、次の項目を同じ順番で抜き出してください。

1. 日付
2. 時刻
3. 場所
4. 持ち物

回答は表にしてください。
読めない項目は推測せず「不明」と書いてください。
形容詞や単位を省略せず、画像の表記どおりに答えてください。

ポイントは次の3つです。

  • 欲しい項目を列挙する
  • 表やJSONなど、回答の形を固定する
  • 読めない項目は「不明」と答えさせる

全体と細部を二回に分ける

時計、金額、期限など重要な一か所は、次の手順で確認します。

  1. 画像全体を読ませ、必要な情報を整理する
  2. 重要箇所だけを切り抜いて大きくする
  3. 二回目に、その項目だけを読ませる
  4. 回答と元画像を横に並べ、人が照合する

一枚ですべて当てさせるより、仕事を「全体」と「細部」に分ける方が、確認箇所を絞れます。

注意は一つ:重要情報は元画像で確定する

金額、日時、契約、申請のように、一文字の違いで結果が変わる情報は、AIの回答だけで確定せず元画像を見てください。

下書きと整理はAI、最後の確定は人、という分担が扱いやすい方法です。

今日始める3段階

ルミィ
ルミィ

まずは重要でない画像を一枚だけ選ぶと、失敗しても困らず実力を確かめられます。

  1. 個人情報のない、重要でない画像を一枚選ぶ
  2. 抜き出したい項目を三つだけ指定する
  3. 回答と元画像を並べ、三項目を確認する

最初から大量の画像へ使わず、一枚で自分の環境とモデルの実力を知るのが近道です。

Ollamaとデスクトップアプリの違いから確認したい場合は、LM StudioとOllamaの違い|初心者はどちらを選ぶ?も参考にしてください。

まとめ

Qwen3.5 9Bの画像認識を5課題で試した結果は、3勝2敗・20項目中18項目正解でした。

  • 表、エラー、小さい定型情報は全項目正解
  • 写真の時計と、日本語の一語で失敗
  • 画像の大まかな説明や整理には使える
  • 完全転記は元画像との照合が必要
  • 全体と重要箇所を二回に分けると使いやすい

ローカル9Bは、画像を全部任せる相手ではなく、見る場所を減らす「画像整理の相棒」として使うのが現実的です。

公式資料

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