Qwen3.6 27BはQwen3.5より賢い?RTX 4070 Ti 12GBで同条件実機比較
Qwen3.5 27Bで最後まで残った「417+27」を、Qwen3.6 27Bは正解できるのか。RTX 4070 Ti 12GBを使い、モデル世代以外をそろえて実機比較しました。
先に結論です。
- Qwen3.5 27Bは15/16、Qwen3.6 27Bは16/16
- 3.5が「不明」とした417+27を、3.6は444と正解
- 時計10時10分と日本語OCR 4/4は、3.6でも維持
- 生成速度は両方約2.8〜3.0 token/sで、ほぼ変化なし
- 8K時の配置は両方CPU 46%/GPU 54%
- Claude Codeは3.6が9テストへ増やしたが、約15分49秒で3.5より約2分5秒遅い
同じ17GBの27Bを使うなら、今回の課題ではQwen3.6を選ぶ理由があります。ただし、12GB GPUで急に軽く速くなる更新ではありません。

同じ重さのまま、3.5で残ったミスを直せたのが今回いちばん大きな差です。
動画で全体を見る
動画で約11分で確認したい方はこちら
動画では結果と使い分けを約11分でまとめ、この記事では回答原文、採点、速度、メモリ配置、再現条件を確認できます。
Qwen3.6はQwen3.5から何が変わった?
Qwen公式は、Qwen3.6をQwen3.5に続く世代として公開しました。特に力を入れているのは、ファイルを読み書きして実行まで進めるコード作業と、やり取りを重ねた時に考えた流れを保つことです。
今回は公式の説明を紹介するだけではなく、Qwen3.5 27Bが実際に失敗した課題をQwen3.6 27Bへそのまま渡しました。
Ollama版の比較条件もそろえています。
| 項目 | Qwen3.5 27B | Qwen3.6 27B |
|---|---|---|
| パラメータ表示 | 27.8B | 27.8B |
| 量子化 | Q4_K_M | Q4_K_M |
| 保存サイズ | 17GB | 17GB |
| 画像入力 | 対応 | 対応 |
| 最大コンテキスト表示 | 256K | 256K |
容量を増やした比較ではないため、「同じ重さで世代を新しくした差」を見られます。
検証環境と固定条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| GPU | NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti 12GB |
| CPU | Intel Core i7-13700F |
| RAM | 64GB |
| Ollama | 0.32.1 |
| Claude Code | 2.1.126 |
| モデル | qwen3.5:27b / qwen3.6:27b |
通常3課題は次の設定で固定しました。
num_ctx: 8192
temperature: 0
seed: 42
think: false
文章、画像、質問、採点項目も同一です。各モデルの最初の長文課題はコールドスタート、続く画像2課題はモデルを読み込んだまま実行しました。
結果一覧:15/16から16/16へ
| 課題 | Qwen3.5 27B | Qwen3.6 27B |
|---|---|---|
| 長文から5情報を検索 | 5/5 | 5/5 |
| 417+27 | 不明/不正解 | 444/正解 |
| 机上画像の5物体 | 5/5 | 5/5 |
| 時計10時10分 | 正解 | 正解 |
| 日本語OCR | 4/4 | 4/4 |
| 合計 | 15/16 | 16/16 |
| 課題単位の合格 | 2/3 | 3/3 |
Qwen3.6は、Qwen3.5で残った計算を直し、正解済みだった画像2課題も維持しました。
長文中の計算:不明から444へ
約5,764トークンの手順書へ、次の5情報を離して置きました。
- 入口コード:森-417
- 青箱上限:27個
- 緊急停止色:朱色
- 再検査曜日:木曜日
- 最終承認者:水城主任
最後に「入口コードの数字部分と青箱上限を足した結果」も答えさせます。正解は444です。
Qwen3.5 27Bの回答
入口コード:森-417
青箱上限:27個
緊急停止色:朱色
再検査曜日:木曜日
最終承認者:水城主任
計算結果:不明
Qwen3.6 27Bの回答
入口コード: 森-417
青箱上限: 27個
緊急停止色: 朱色
再検査曜日: 木曜日
最終承認者: 水城主任
計算結果: 444
5情報を読む部分は同じですが、最後の計算で差が出ました。Qwen3.6は、読み取った417と27を使い、指示された処理まで完了しています。
時計画像:両方10時10分
机上に赤いマグカップ、黄色いノート、黒いペン、アナログ時計、青い鉢植えを並べた画像です。物を左から列挙し、時計の時刻も答えさせました。
Qwen3.5 27Bは6/6、Qwen3.6 27Bも6/6です。Qwen3.6の回答は次のとおりでした。
左から順に、赤いマグカップ、黄色いノートと黒いペン、
アナログ時計、青い鉢植えです。
アナログ時計の時刻は10時10分です。
なお、最初の自動採点では「植物」という文字だけを必須にしていたため、「青い鉢植え」を誤って不正解にしました。対象と色は正しいため、「青+鉢植え」も正解条件へ追加しています。モデル回答は再生成せず、採点規則だけを修正しました。
日本語OCR:両方4/4
会議案内から日付、時刻、場所、持ち物を文字どおり読む課題です。
日付:7月21日
時刻:午後3時
場所:第2会議室
持ち物:青い資料
Qwen3.5 27BとQwen3.6 27Bは、どちらも4項目を正解しました。計算を改善しながら、場所の漢字と「青い」という条件も維持しています。
生成速度:ほぼ同じ
| モデル | 長文 | 時計画像 | 日本語OCR |
|---|---|---|---|
| Qwen3.5 27B | 2.77 token/s、47.504秒 | 2.76 token/s、38.032秒 | 3.00 token/s、13.407秒 |
| Qwen3.6 27B | 2.77 token/s、38.727秒 | 2.85 token/s、20.580秒 | 2.91 token/s、13.579秒 |
回答完了までの時間は短くなった課題がありますが、Qwen3.6の出力が短い影響もあります。モデルが文字を作る速さは、両方とも約2.8〜3.0 token/sです。
Qwen3.6は同じ重さで正解を増やしましたが、12GB環境での生成速度そのものは大きく変わっていません。
CPU・GPU配置:両方同じ
8K時のOllama表示も一致しました。
| 項目 | Qwen3.5 27B | Qwen3.6 27B |
|---|---|---|
| 読み込みサイズ | 17,699,627,331 bytes | 17,699,627,331 bytes |
| VRAM配置 | 9,605,438,503 bytes | 9,605,438,503 bytes |
| PROCESSOR | CPU 46%/GPU 54% | CPU 46%/GPU 54% |
| CONTEXT | 8,192 | 8,192 |
| 実測GPU使用量 | 約11.5〜11.6GB | 約11.5〜11.6GB |
17GBのモデル全体は12GB VRAMへ入りません。不足分をメインメモリへ置くため、どちらも軽量モデルのような速度にはなりません。
Claude Code:9テストへ増えたが約2分遅い
公式が強化点として挙げるコード作業も試しました。
入力は数量計算と10%割引を修正済みのcart.pyです。SHA256は次のとおりです。
FDE0C2E1290464CA363C81CD3AED9D334B5AF0B6CA95FC7905BB026ADB7AAE40
指示文も前回と同じです。
Add a unittest file named test_cart.py. Cover quantity multiplication and a 10 percent discount. Run the tests. Do not change the public function names.
Claude Codeは64K、--bare、追加機能と過去の作業記憶なし、Read・Write・Bashだけを許可しました。
| モデル | 完了時間 | 作成テスト | 合格 | cart.py |
|---|---|---|---|---|
| Qwen3.5 27B | 824.2秒(13分44.2秒) | 5 | 5/5 | 変更なし |
| Qwen3.6 27B | 949.2秒(15分49.2秒) | 9 | 9/9 | 変更なし |
Qwen3.6は数量計算5本と10%割引4本を作り、空カート、小数価格、丸めまで確認しました。Qwen3.5より4本多い一方、約125秒遅く、所要時間は約1.15倍です。
コード作業の範囲は広がりましたが、12GB環境で高速化したわけではありません。重いモデルへ複数工程を頼む時は、「読む」「直す」「試す」を小さく分ける方が待ち直しを減らせます。
12GB GPUでの使い分け
今回の結果なら、次の分け方が現実的です。
何度もやり直す作業
9Bなどの軽量モデルを先に使います。短い質問、要約、試行錯誤するコードは、1回の正解率だけでなく反復速度が重要です。
長文や画像を一度で正確に読みたい作業
Qwen3.6 27Bを使います。同じ17GBのQwen3.5 27Bを選ぶ理由がなければ、今回の課題では3.6の方が正確でした。
コードの自動作業
工程を小さく分けます。Qwen3.6は詳しいテストを作りましたが、15分49秒かかりました。小さな変更を何度も回すなら、軽量モデルや短い工程の方が実用的です。
自分のPCで比較する手順
Ollamaでは次のコマンドでQwen3.6 27Bを取得できます。
ollama pull qwen3.6:27b
次に、普段使う文章か画像を1つ選び、Qwen3.5とQwen3.6へ同じ入力を渡します。答えと時間を保存し、ollama psでCPU/GPU割合も確認してください。
ollama ps
正解が増え、その待ち時間を受け入れられる時だけ更新すれば十分です。差が出ない仕事は、軽いモデルへ戻した方が速く回せます。

新しい番号だけで決めず、普段の入力を同じ条件で比べると選びやすくなります。
まとめ
- Qwen3.6 27Bは417+27を444と答え、16/16
- 時計と日本語OCRの正解も維持
- 17GB、CPU 46%/GPU 54%、約3 token/sはQwen3.5とほぼ同じ
- Claude Codeは5テストから9テストへ増えたが、約13分44秒から約15分49秒へ遅くなった
- 27Bを選ぶならQwen3.6、普段の反復は軽量モデルが現実的
モデルが新しくなったかだけでなく、自分の課題で正解が増えるか、待ち時間を払えるかを同じ入力で確かめるのが一番確実です。
検証データ
回答原文、採点結果、コード作業のログ、入力画像、実行スクリプトをまとめています。採点を修正した経緯も同梱しているため、結果を手元で確認できます。
関連記事
- Qwen3.5 9Bの失敗は27Bで直る?
- Qwen3.5 9Bの画像認識を5課題で実機検証
- Qwen3.5 9Bの長文記憶を4K・8K・32K・64Kで実機検証
- Codex・Claude CodeをローカルLLMで動かす方法
