LM Studio Bionicは本当にローカル?Local・Web検索・Cloud・LM Linkの違い
会社資料や個人データをLM Studio Bionicへ入れたいけれど、「BionicはローカルAIだから、すべてPC内で処理される」と考えてよいのでしょうか。
答えは、Bionicというアプリ名だけでは決まりません。BionicではAIの計算場所としてLocal・Remote・Cloudを選べ、Web検索はそれらとは別の外部検索機能だからです。
先に結論
- PC内での処理を優先するなら、Localモデルを選び、Web検索をOFFにする
- LM LinkのRemoteは別端末で計算するため、履歴が手元に残っても完全オフラインではない
- Web検索では検索処理が外部へ出て、Cloudではモデルの計算そのものも外部になる
| 選択・機能 | AIの計算場所 | 外部との通信 | 今回の確認方法 |
|---|---|---|---|
| Local | 今使っている端末 | Web検索などを使わなければ、AI計算は端末内 | モデルの表示・選択状態を実画面で確認 |
| Remote / LM Link | Linkした別端末 | 推論に必要な入力を別端末へ送る | 接続前の設定状態+公式仕様 |
| Cloud | 外部サーバー | モデルの計算を外部で行う | 公式仕様のみ |
| Web検索 | 選んだモデルとは別枠 | 検索要求を外部で一時処理 | 未サインインで無効の状態+公式仕様 |

見る場所は「AIがどこで考えるか」と「Web検索を使うか」の2つです。機能が実際に動くかは、モデルの対応状況も別に確認しましょう。
Bionicを含むローカルAIの導入、PCスペック、実機検証を順番に探す場合は、AIを動かす環境の案内ページも確認してください。
動画で設定画面と通り道を見る
動画で実画面と図解を確認したい方はこちら
動画では、Local Models Library、Web検索、LM Link、LM Studio 0.4.20の変更履歴を実画面と図解で確認できます。この記事では、動画の結論を仕事で判断できる形に整理します。
BionicとLM Studioは別のアプリ
LM Studioは、ローカルモデルの検索・保存・読み込み・チャット・API提供などを行うアプリです。
Bionicは、資料を読みながら調査や文書作成を進めるAIエージェント用の別アプリです。Bionicから利用するモデルは、計算場所によってLocal・Remote・Cloudに分かれます。
そのため、「LM Studioを入れている」「Bionicを使っている」というアプリ名だけでは、データがどこで処理されるかを判断できません。
LM Studio自体の導入方法やOllamaとの違いは、LM StudioとOllamaの比較で整理しています。
今回の実機と確認範囲
| 項目 | 状態 |
|---|---|
| OS | Windows |
| GPU | NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti 12GB |
| Bionic | 1.0.2 Build 3 |
| LM Studio | 0.4.19 Build 2 |
| 選択済みモデル | Qwen3.5 9B Q4_K_M |
| モデルファイル | 約5.63GB |
| Bionicのサインイン | 未サインイン |
実画面で確認したのは、次の3状態です。
- Local Models Libraryに4モデルが表示された
- 既存セッションでQwen3.5 9Bが選択済みだった
- Web検索は未サインインのため無効で、LM LinkはONでもOfflineだった
一方、次の操作は実行していません。
- 通信を遮断した状態での回答生成
- Web検索の実行
- LocalモデルとWeb検索の同時利用
- Remote推論とCloud推論
- LM Studio 0.4.20への更新
- 添付資料を使った新しい回答生成
この記事では、実画面で見た状態と、公式仕様から説明する部分を分けています。「表示された」「選択できた」と「実際に通信を切って回答できた」は同じ意味ではありません。
データの通り道は2つの軸で考える
Bionicの設定を分かりやすくするには、次の2軸へ分けます。
- AIの計算場所:Local・Remote・Cloudのどれか
- 外部検索:Web検索を使うか、使わないか
Web検索を利用できるか、画像を扱えるか、道具を呼び出せるかはモデルによって異なります。これはデータの通り道ではなく、選んだモデルの機能対応として別に確認します。
Local|今使っている端末でAIを計算
Localは、Bionicを操作している端末上でモデルを動かす選択肢です。
今回の実機では、Local Models Libraryに「Showing 4 local models」と表示され、Qwen3.5、Qwen3 0.6B、GPT OSS 20B、Ollama側のQwen3.5が見えていました。既存セッションではQwen3.5 9B Q4_K_Mが選択済みでした。
ただし、今回確認できたのはモデルの表示・選択状態までです。通信を遮断して新しい回答を生成する試験は行っていないため、「今回の画面だけで完全オフライン動作を実証した」とは扱いません。
PC内での処理を優先する場合は、Localモデルを選ぶだけでなく、Web検索がOFFか、接続する別機能がないかも確認します。
Remote / LM Link|別端末で計算する
Remoteは、LM Linkでつないだ別端末のモデルを利用する方式です。たとえば、ノートPCから、より高性能なデスクトップPCのGPUを使う場面が考えられます。
公式仕様では、会話履歴の保存先はBionicを使う手元の端末です。一方、モデルの計算に必要な入力は、Linkした別端末へ送られます。
LM Linkは端末同士をエンドツーエンド暗号化してつなぎ、ルーターのポート開放を必要としません。ただし、ネットワークを使用するため、完全オフライン処理ではありません。機器発見に必要な端末一覧はLM Studioのバックエンドへ送られます。
今回の実機ではLM LinkのEnableとShare local modelsがONでしたが、状態はOffline、No peers、No networks、Not signed inでした。つまり、ONにしただけでRemote接続が完了したわけではありません。
会社で使う場合は、「会社が管理する端末だから大丈夫」とは限りません。管理端末間のデータ送信とLM Linkの利用が、会社の規程で許可されている場合に限って候補にします。
Cloud|モデルの計算そのものが外部
Cloudでは、外部サーバー上のモデルが回答を計算します。ローカルPCの性能を超えるモデルを使いたい場合の選択肢ですが、計算場所はPCの外です。
公式料金ページでは、2026年7月29日時点でCloud推論は米国で処理されると説明されています。利用にはインターネット接続、サインイン、支払い設定、利用可能なクレジット残高が必要です。
公式にはゼロデータ保持が既定とされていますが、これは「外部へ送らない」という意味ではありません。要求と応答を外部で一時処理し、処理後に保持し続けない方針を指します。
今回はCloud推論を実行していません。速度、精度、クレジット消費は比較対象外です。
Web検索|計算場所とは別の外部検索
Web検索は、Local・Remote・Cloudの3つとは別に考えます。公式ではCloud Servicesとして扱われ、検索要求を外部で一時処理します。
つまり、Localモデルを表示・選択していても、Web検索を使えば検索部分は外部処理を伴います。一方、Cloudモデルを選んだ場合は、検索の有無とは別にモデルの計算そのものが外部です。
処理場所による基本的な使い分けは、ローカルAIとクラウドAIの違いもあわせて確認してください。
公式のPrivacy Policyでは、User Requestsに入力文と添付ファイルが含まれると説明されています。ただし、Web検索を使ったとき、個々の添付内容のどの範囲が毎回送られるのかは、今回の観測では確認できませんでした。
今回の実機では未サインインだったため、Web検索は無効でした。LocalモデルとWeb検索を同時に実行できるか、その場合の具体的な通信内容までは検証していません。
Web検索とCloudの違い
| 項目 | Web検索 | Cloudモデル |
|---|---|---|
| 外部で行う処理 | 情報の検索 | AIモデルの推論 |
| モデルの計算場所 | 選択したLocal・Remote・Cloudによる | 外部サーバー |
| サインイン | 必要 | 必要 |
| 今回の実行 | 未実行 | 未実行 |
「外部処理がある」という点は同じでも、外に出る役割が違います。Web検索は外部検索、Cloudは外部推論です。
LM Studio 0.4.20で追加されたこと
LM Studio 0.4.20は2026年7月22日に公開されました。今回のテーマに関係する変更は、この端末のモデルをBionicからLM Link経由で利用できるようになったことです。
ただし、今回の実機はLM Studio 0.4.19 Build 2のままで、0.4.20へ更新していません。変更内容は公式の更新履歴から説明しており、更新後の接続・速度・安定性を実測した結果ではありません。
仕事別の選び方
| 目的 | 第一候補 | 確認すること |
|---|---|---|
| 外部処理を避けて資料を整理したい | Local+Web検索OFF | モデルの計算場所、検索設定、接続機能 |
| 最新の一般情報を調べたい | Web検索 | 検索文へ秘密情報を混ぜない、出典と日付 |
| 自分の別端末のGPUを使いたい | Remote / LM Link | 入力が別端末へ送られること、会社規程 |
| PC性能を超えるモデルを使いたい | Cloud | 外部推論、料金、処理地域、利用規程 |
どれを選ぶ場合も、最後にモデルが必要な機能へ対応しているかを確認します。
会社資料と一般検索を混ぜない手順
会社資料へ最新の市場情報を加えたい場合は、1つのセッションへ全部入れず、処理を分けるとデータ経路を判断しやすくなります。
- LocalモデルとWeb検索OFFで、社内資料だけを整理する
- 社名、顧客名、金額などの固有情報を除いた検索文を作る
- 別セッションで一般情報だけをWeb検索する
- 出典と日付を人が確認する
- 最後に人が社内資料と検索結果を組み合わせる

「ローカルモデルを選んだ」で確認を終えず、検索設定と接続先まで見てから資料を入れるのがポイントです。
よくある質問
Bionicは完全オフラインで使えますか?
LocalモデルのAI計算は端末内で行います。ただし、モデルの取得、更新、Web検索、Cloud、LM Linkなどは通信を伴います。今回の検証では通信遮断中の回答生成は行っていないため、設定画面だけで完全オフライン動作を実証したものではありません。
Localモデルを選べば、添付資料は絶対に外へ出ませんか?
Localモデルの計算場所は端末内です。ただし、Web検索やLM Linkなど別の機能を併用すると外部または別端末との通信が発生します。アプリ名だけで判断せず、計算場所、Web検索、接続機能を確認してください。
LM LinkはクラウドAIですか?
Cloudモデルとは異なります。LM LinkではLinkした別端末のモデルが計算し、履歴は手元に保存されます。ただし、推論に必要な入力は別端末へ送られ、ネットワークも使用します。
ゼロデータ保持なら、外部へ何も送られませんか?
いいえ。ゼロデータ保持は、要求と応答を外部で処理した後に保持し続けない方針です。外部へ送らないという意味ではありません。
会社の機密資料をBionicへ入れてもよいですか?
会社のAI利用規程、情報区分、許可された端末とサービス、保存先を先に確認してください。外部処理を避ける場合はLocal+Web検索OFFを第一候補にし、実際の運用前に小さな架空データで通信と成果物を確認します。
まとめ|Bionicという名前ではなく、通り道を見る
- AIの計算場所はLocal・Remote・Cloudの3つ
- Web検索は計算場所とは別の外部検索機能
- Localモデルを選んでも、Web検索など別機能の設定を確認する
- LM Linkでは入力が別端末へ送られ、完全オフラインではない
- Web検索は外部検索、Cloudは外部推論
- ゼロデータ保持は「外部へ送らない」という意味ではない
- 今回の実機確認は表示・選択・接続前状態までで、通信遮断や外部機能の実行は未検証
Bionicへ資料を入れる前に、モデル名だけでなく、計算場所、Web検索、モデル対応の3点を確認してください。
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本記事の画面・仕様確認日は2026年7月29日です。アプリの版、機能、料金、処理地域は更新される可能性があるため、利用時には公式情報も確認してください。
