ChatGPT 4.5とは？新モデルの実力とAI開発の行方：期待と論争を呼ぶOpenAIの最新モデル

2025年2月末、OpenAIが新たなモデル「ChatGPT 4.5」をリリースしました。

このモデルの登場は、AI業界に様々な反響を呼んでいます。

クリエイティブな文章力と自然な会話能力が高く評価される一方で、驚くほど高価な価格設定と開発者向けタスクでの弱さが議論を呼んでいます。

この記事では、複数の情報源から集めた知見をもとに、GPT-4.5の実力と意義について解説します。

ChatGPT 4.5とは何か

ChatGPT 4.5はOpenAIが「最も大きく、最も知識豊富なモデル」と位置づける2025年2月28日に発表された最新の言語モデルです。

当初はChatGPT Proユーザー（月額約200ドル）限定で提供されていましたが、現在はPlusユーザー（月額20ドル）も利用できるようになっています。

このモデルの特徴は、従来のGPT-4.0と比較して大幅に強化された知識ベースと正確性にあります。

日常的な質問から専門的な内容まで、より幅広い知識を提供できるようになり、誤情報を生成する「幻覚（ハルシネーション）」の確率も大幅に低下しました。

GPT-4.0では約60%だった幻覚率が、GPT-4.5では約37%まで改善されています。

最も注目すべき進化は、感情知能と会話能力の向上です。

ユーザーの意図や感情をより深く理解し、まるで友人と話しているような自然な対話が可能になりました。

ユーザーの話し方や表現スタイルを察知して、それに合わせた応答ができることも特徴です。

また、物語、詩、感情を込めた文章など、クリエイティブな表現力も大幅に向上しています。

弱点と課題

一方で、GPT-4.5にはいくつかの明確な弱点があります。

最も顕著なのはプログラミングや技術的な問題解決能力です。

コーディングや複雑な問題解決については、Claude 3.7やOpenAI自身のO3 Miniなど、他のモデルよりも性能が劣ります。

開発者向けのタスクには適していないと、OpenAI自身も認めています。

もう一つの大きな課題は、驚くほど高価な利用料金です。

API利用料金は入力100万トークンあたり75ドル、出力100万トークンあたり150ドルと設定されており、これはGPT-4.0の約15〜30倍、Claude 3.7の約25倍、Gemini 2.0の約750倍という価格差があります。

この高コストは、モデルの巨大さと必要な計算資源を反映していると考えられますが、実用面では大きな障壁となっています。

また、処理速度がやや遅く、音声モード、ビデオ、画面共有などの機能にも対応していないという制限があります。

GPT-4.5の位置づけと将来の展望

GPT-4.5はOpenAIが「最後の非推論モデル」と位置づけています。

「推論モデル」とは、質問に対して段階的に思考過程を経て回答を導き出すモデルのことで、OpenAIのO3シリーズなどがこれにあたります。

GPT-4.5は推論機能を持たず、入力に対して直接応答を生成するアプローチを取っています。

技術的には、GPT-4.5は膨大なデータと巨大なパラメータ数を持つモデルであり、これが強みと高コストの両方の源泉となっています。

OpenAIの戦略としては、GPT-4.5は最終目標ではなく、次世代モデルGPT-5への中間ステップと考えられています。

OpenAIは2025年中（一部の情報では5月中下旬）にGPT-5をリリースする予定と言われています。

GPT-5はGPT-4.5の日常利用能力とO3シリーズの推論能力を組み合わせた融合モデルになる見込みで、すべての種類の問題に対応し、自動的に最適な解決方法を選択できるようになります。

また、テキスト、画像、音声などすべてのマルチモーダル機能を統合し、ユーザーが手動で機能を切り替える必要がなくなるとされています。

実用的な活用法と選択のポイント

GPT-4.5の強みを活かせる用途は主に三つあります。

一つ目は日常的な会話やチャットです。

友人のように自然で共感的な対話ができるため、カジュアルな会話パートナーとして優れています。

二つ目はクリエイティブな文章作成で、物語、詩、感情豊かな文章などの創作に適しています。

三つ目は感情的なサポートや共感が必要な対話で、高い感情知能を活かした対応が可能です。

一方で、プログラミングや技術的な問題にはClaude 3.7やO3 Mini、情報検索や調査にはGrokのような検索特化型モデル、コスト効率を重視する場合はより安価なモデルを選ぶことが賢明でしょう。

AIモデルの選択は、「より新しい＝より優れている」という単純な図式ではなく、特定のタスクに対する適性と費用対効果のバランスで判断すべきです。

GPT-4.5は特定の用途では素晴らしい性能を発揮しますが、すべてのユーザーやすべてのタスクに最適というわけではありません。

まとめ

2025年2月に登場したChatGPT 4.5は、AIの進化における一つのマイルストーンです。

特に自然な会話と創造的な文章作成において優れた能力を持つ一方で、高価格と特定タスクでの弱さを併せ持つモデルとなっています。

OpenAIの開発戦略を見ると、GPT-4.5は非推論モデルの集大成であり、次のステップとしてより統合的で使いやすいGPT-5への橋渡しと位置づけられています。

AI技術の進化は今後も続き、より多機能で使いやすいモデルが登場することが期待されています。

私たちユーザーにとっては、自分の目的やニーズに最も適したAIモデルを選択することが重要です。

特定の強みと弱みを理解した上で、状況に応じて最適なツールを選ぶ賢明なアプローチが求められるでしょう。