ChatGPTの効果的なプロンプトの作り方と使い方

「ChatGPTに質問したのに、なんだかピンとこない回答ばかり…」そんな経験はありませんか?実は、ChatGPTなどのAIに何をどう聞くか(プロンプトの出し方)次第で、返ってくる回答の質は大きく変わります。
本記事では、初心者でもカジュアルに実践できるChatGPTの効果的なプロンプト(指示文)の作り方・使い方を解説します。
プロンプトの基本から応用テクニック、よくある間違いとその改善方法まで、図解や具体例を交えて紹介します。この記事を読めば、きっとChatGPTをより 思い通りに使いこなせる ようになりますよ。
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プロンプトとは?
プロンプトとは、ChatGPTなどのAIに対してユーザーが送る「指示文」のことです。

私たちがChatGPTに入力する質問やリクエストの文章すべてがプロンプトにあたります。プロンプトを受け取ったChatGPTは、その内容に基づいて応答を生成します。
つまりプロンプトはAIとのコミュニケーションの出発点であり、その良し悪しが回答内容に直接影響します。
プロンプト次第で「欲しかった答え」が得られるかどうかが決まると言っても過言ではありません。
例えば、「AIについて教えて」とだけ尋ねるのと、「AIとは何ですか?初心者にも分かるように200文字以内で教えてください」と尋ねるのでは、後者のほうが具体的で分かりやすい回答を引き出せます。
後者のように誰に向けて・どの程度詳しく答えてほしいかまで含めて指示することで、ChatGPTはより的確な応答を返しやすくなります。
- AIに対してユーザーが送る「指示文」のこと
- プロンプト次第で「欲しかった答え」が得られるかどうかが決まる
効果的なプロンプトの基本ルール
ChatGPTから質の高い回答を引き出すために、まず押さえておきたい基本のポイントがあります。
プロンプト作成の初心者は、次のルールを意識してみましょう。
要求はできるだけ簡潔に、そして具体的に伝えましょう。
曖昧な表現や回りくどい説明は避け、「何を知りたいか」「何をしてほしいか」をはっきり書きます。
例えば「良いレストランを教えて」よりも「【場所】でおすすめのイタリアンレストランを3つ教えてください」の方が明確です。
質問の背景や前提条件を伝えると、ChatGPTは状況を理解しやすくなります。
例えば自分の立場や対象読者、話の前提など relevant な情報を加えます。
「小学生向け」「ビジネスシーンで」などの一言を添えるだけでも、回答のトーンや詳細さが変わります。
回答の形に希望がある場合は、最初にそれを伝えましょう。
箇条書き、段落、コードブロック、表形式など、フォーマットを指定できます。
例えば「箇条書きで3つ挙げてください」「コード例を示してください」「100文字程度で教えてください」などと書くと、回答が希望の形式に近づきます。
上記のように、「何を」「どのように」答えてほしいかをプロンプトで具体的に示すことがポイントです。これらの工夫により、ChatGPTはこちらの意図を正しく汲み取り、期待に沿った回答をしやすくなります。
- 要求は簡潔かつ、具体的に伝える。
- 質問は背景や前提条件を加えて伝える。
- 回答の形式にも配慮を。
初心者がすぐに使えるプロンプト例
それでは、具体的にどんな風にプロンプトを書けばよいのか、すぐ真似できる例文をいくつか紹介します。質問の仕方から文章生成、コード作成・翻訳まで、初心者が遭遇しやすいケース別にサンプルプロンプトを用意しました。
質問の仕方の例
シンプルな質問でも、少し工夫するだけで回答の質が向上します。例えば知りたい情報があるときは、単に尋ねるより対象や条件を付け加えると良いでしょう。

歴史について知りたい!
こんなときどのようなプロンプトが良いでしょうか?
- 悪い例: 「歴史について教えて。」
これだと、範囲が広すぎて曖昧です。どの時代のことなのか、誰向け向けなのか、回答の形等を加えて質問します。
すると次のような形になります。
- 良い例: 「日本の戦国時代について、初心者にもわかるように教えてください。主要な出来事を3つ挙げて説明してください。」
この形であれば、対象を限定(日本の戦国時代)し、求める答えの形(3つの出来事)を指定しているので、良いプロンプトと言えますね。
このように、「誰・何について知りたいのか」「どんな風に答えてほしいのか」を盛り込んで質問すると、よりピンポイントで役立つ回答が得られます。
文章生成のコツと例
ChatGPTに創作や文章作成をお願いする場合も、具体的な指示が効果的です。例えばストーリーを書いてもらうなら、ジャンルや登場人物、長さなどを指定してみましょう。

物語を描きたい!
- 悪い例: 「面白い物語を書いて。」
気持ちはわかりますが、面白いは人様々。
何をもって面白いのか、漠然としているので、具体的な指定が必要です。
- 良い例: 「3分で読める和風ファンタジーの短編小説を書いてください。主人公は若い侍で、彼が不思議な刀を発見するストーリーにしてください。」
このように、物語の長さ、ジャンル、設定を具体的に伝えるといいでしょう。
また、トーンや視点も指定可能です。「ユーモラスな口調で」「敬語で丁寧に」などと頼めば、その雰囲気に合わせて文章を作ってくれます。
例えばブログ記事の下書きを頼むとき、「カジュアルな口調で」「専門用語は使わずに」といった条件を付ければ、仕上がりのテイストをコントロールできます。
コード作成や翻訳の具体例
ChatGPTはプログラミングや翻訳の支援も得意です。こちらもプロンプト次第で求める結果にグッと近づけます。

プログラミングをやりたい。
- コード作成の例: 「Pythonで、与えられた数値のリストを昇順にソートする関数を作成してください。コードと簡単な解説をお願いします。」
言語をPythonと明記し、何をするコードかを具体的に指示しています。必要なら「計算量にも言及してください」のように追加要件を付けてもOKです。

翻訳をしてほしい。
- 翻訳の前提:「次の日本語文を英語に翻訳してください。できるだけ丁寧な敬語表現にしてください」
- 翻訳対象文: 「こんにちは、昨日はお時間をいただきありがとうございました。」
翻訳の前提として言語(英語)やトーン(丁寧な敬語表現)の希望を伝えています。これにより、ただ直訳するだけでなく丁寧な言い回しの英訳を期待できます。
他にも「このコードのバグを見つけて修正してください」「以下のテキストを要約してください(○○文字で)」のように、用途に応じて細かくお願いすることができます。最初は上記の例文をコピペして試し、徐々に自分の求める内容に合わせてアレンジしてみましょう。
❌ 悪いプロンプト (曖昧・不十分) | ✅ 良いプロンプト (明確・具体的) |
---|---|
「AIについて教えて。」 – 質問が漠然として広すぎる。 | 「AIとは何ですか?初心者向けに200文字以内で簡単に説明してください。」 – 何を聞きたいか明示し、対象(初心者)と回答の長さも指定。 |
「Pythonの特徴を教えて。」 – 出力の形式が指定されておらず、答えが散漫になりがち。 | 「Pythonの特徴を箇条書きで3つ挙げてください。」 – 箇条書きと項目数を指定し、整理された回答を引き出す。 |
「面白い物語を書いて。」 – テーマや長さが不明確で、期待通りの展開になりにくい。 | 「3分で読める短編ファンタジーを書いてください。主人公は魔法使いの少年で、彼が隠された魔法の本を見つける話にしてください。」 – ジャンル・長さ・あらすじを具体的に指定し、狙い通りの物語展開に。 |
詳細なプロンプトエンジニアリング手法
基本を押さえたら、次はさらに高度なプロンプトエンジニアリングのテクニックにもチャレンジしてみましょう。これはプロンプトの与え方を工夫する様々な手法のことで、難しい課題や高度な要望に対してChatGPTのポテンシャルを引き出すのに役立ちます。
ここでは代表的な4つの手法を紹介します。
Zero-shot Prompting(ゼロショットプロンプティング)
ゼロショットとは、その名の通り例示や追加情報を一切与えずにいきなり質問する方法です。
初歩的な使い方では多くの場合この形になります。モデルは事前に膨大なデータで学習されているため、ゼロショットでもある程度の回答は返せます。
- 特徴: シンプルに1回の質問だけで勝負します。
- メリット: プロンプトが短くて済み、手軽です。
- 留意点: 質問が漠然としていたり複雑すぎたりすると、期待通りの答えが得られにくいことがあります。
👉 例: 「明日の天気は?」とだけ尋ねるのはゼロショットの例です。
シンプルですが、場所などの情報が無いとChatGPTも一般的な回答しかできません。この場合「○○市の明日の天気は?」といった情報を足すだけで回答精度が上がるでしょう。
Few-shot Prompting(フューショットプロンプティング)
フューショットは、あらかじめいくつかの例をプロンプト内に示してから質問する手法です。
ゼロショットでうまくいかない複雑なタスクでも、類似の例を与えることでモデルの理解を助け、回答の質を上げることができます。
- 特徴: 質問の前に例示(入力と理想的な出力のペアなど)を与える。
- メリット: モデルが文脈やパターンを学習した上で答えるため、精度が向上しやすい。
- 留意点: プロンプトが長くなるため、モデルの入力長制限に注意が必要です。
👉 例: 商品レビューの要約をさせたい場合、まず「例: レビュー文→要約」のペアを2〜3個プロンプトに書いてから、「新しいレビュー文: … → 要約してください」と続けます。
こうすることでChatGPTは与えられた例を参考に、一貫性のある要約を返しやすくなります。
Chain-of-Thought(思考の連鎖)プロンプティング
Chain-of-Thought(チェイン・オブ・ソート)は、モデルに推論の過程を段階的に踏ませる手法です。
複雑な問題を解くとき、一度に答えを出させるのではなく、途中の思考プロセスを文章にさせることで最終回答の正確性を高めます。
- 特徴: 「まずステップ1を考えて、それができたら次にステップ2を…」というように、段階を追った指示を与える。
- メリット: モデルが自分で論理展開しながら答えるため、計算問題や論理パズルなどでミスが減り、説明付きの回答が得られます。
- 留意点: 手順を書かせる分、回答は冗長になりますが、最終的な正確さや理由の明示と引き換えと考えましょう。
👉 例: 「次の数学の問題を解いてください。途中の考えもステップごとに示してください: 12と18の最小公倍数は何ですか?」
このように頼むと、ChatGPTはまず12と18の倍数を列挙し…という風に考えを文章化しながら最終的な答えを導き出してくれます。単に「12と18の最小公倍数は?」と聞くより、Chain-of-Thoughtを促すことでより丁寧な解説付きの回答が得られるわけです。
Role-based Prompting(役割指定のプロンプティング)
ロール(役割)指定では、ChatGPTに「〇〇の専門家になったつもりで答えて」といった役割を与えてから質問します。
これにより、回答がその役割にふさわしい口調・内容になり、文脈に沿った専門的な応答が期待できます。
- 特徴: 「あなたは経験豊富な〇〇です…」のように、ChatGPTに人格や役職を設定してから問いかける。
- メリット: その分野に特化した視点や知識で回答してくれるため、情報の的確さ・具体性が増します。例えば医療に関する質問に医者のロールを与えると、専門用語や詳細な説明が得やすくなります。
- 留意点: あまりに突飛な役割(架空のキャラクターなど)だと効果が薄い場合もあります。基本は実在する職業・立場を想定するとよいでしょう。
👉 例: 「あなたはベテランのマーケティングディレクターです。新規プロジェクトの市場調査戦略についてアドバイスしてください。」
このプロンプトではマーケティングのプロという前提を与えることで、一般論ではなくより実践的で専門性の高いアドバイスを引き出しています。
同じ質問でも役割なしの場合と比べ、回答の深みが増すことが多いです。
手法 | 概要 (どう指示するか) | 使いどころ & 例 |
---|---|---|
ゼロショット | 例を一切示さずにいきなり質問する。 シンプルな単発質問。 | 基本形。簡単な問いや一般常識の範囲の内容。 例: 「パンダについて教えて。」 |
フューショット | 質問前に少数の例を提示してから尋ねる。 フォーマットや回答パターンを学習させる。 | 高度な内容や一貫性が重要な場合。 例: Q&Aの例を2つ示してから新しい質問をする |
思考の連鎖 (CoT) | 問題解決の手順を逐次考えさせる。 「ステップバイステップで考えて」と指示する。 | 複雑な計算、推論、論述問題などに有効。 例: 「この方程式を解く手順を説明しながら答えて」 |
役割指定 (ロール指定) | AIに特定の役になりきらせて回答させる。 「あなたは〇〇の専門家です…」と設定する。 | 専門知識や視点が求められる場合。 例: 「あなたは歴史教師です。戦国時代を解説してください。」 |
よくある間違いと改善方法
効果的なプロンプトにはコツがいるとはいえ、最初は誰でも手探りです。
ここでは初心者がやりがちないくつかのミスと、その改善方法を紹介します。自分のプロンプトがうまく機能しなかったときは、このチェックリストを思い出してみてください。
曖昧すぎる指示になっている
症状: 質問が漠然としすぎて、ChatGPTがどの方向で答えればいいか迷ってしまうケースです。例えば「AIについて教えて」だけでは範囲が広すぎます。
こうした曖昧なプロンプトでは、回答も表面的なものになりがちです。
改善: 具体性を足しましょう。5W1H(誰に、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように)を意識して、知りたいポイントを狭めてください。先ほどの例なら「AIとは何ですか?その歴史と現在の活用例を初心者向けに教えてください」のように、「何について」「どんな観点で」「誰向けに」を追加します。一度に伝える情報が増えすぎる場合は、一つの質問に絞るか、順を追って複数の質問に分けても構いません。
改善後の効果: プロンプトが明確になることで、ChatGPTは質問の意図を正確に汲み取り、ポイントを押さえた回答を返しやすくなります。「教えてほしいことがハッキリしている=答えも具体的になる」というわけです。
プロンプトが長文すぎて焦点がぼやけている
症状: 逆に情報を盛り込みすぎたプロンプトも問題です。あれもこれもと説明しようとして段落レベルの長文プロンプトになると、肝心の質問が埋もれてしまいます。また、要件を詰め込みすぎるとモデルがどこに重点を置けば良いか迷う原因になります。
改善: 要点を取捨選択しましょう。伝えるべき文脈は大事ですが、本当に必要な情報だけ残して簡潔にします。長くなりがちな場合、段階的に質問する方法も有効です(例えばまず概要を尋ね、次に詳細を聞くなど)。OpenAIも「最初はシンプルに書き、その後で追加の指示を与える」ことを推奨しています。一度に全部盛り込もうとせず、対話を分割して徐々に掘り下げていけば、結果的に精度の高い回答にたどり着きやすくなります。
改善後の効果: シンプルで焦点の定まったプロンプトにすることで、ChatGPTは何を優先して答えるべきか明確に理解できます。無駄な情報が減る分、応答も整理され、こちらの意図に沿った内容が返ってくるでしょう。ト例。まずシンプルなプロンプトで開始し、必要に応じて文脈や詳細を追加(Refinement)、トーンやスタイルの調整(Iteration)を行い、得られた回答を評価(Evaluation)します。満足できなければプロンプトを修正して再度モデルに入力(Gen AI Processing & Repeat)。このフィードバックループを繰り返すことで、回答の精度と満足度を高めていきます。